RIMS共同研究

「オイラー方程式の数理:渦運動150年」


開催日程 平成 20年 7月 16日(水) -- 18日(金)
開催場所 京都大学 数理解析研究所 (アクセス)
研究代表者 福本 康秀 (九州大学・大学院数理学研究院)
副代表者 服部 裕司 (九州工業大学・大学院工学研究院)

趣旨

2008年は渦運動を中心テーマとする史上初の論文を Helmholtz が発表して(1858)からちょうど150年になる.それ以前の流体力学は渦なし流に限られていた.渦度がなければ,境界の形を与えれば流体の運動が瞬時に決まってしまうという意味で,剛体運動と何ら変わりはない.Helmholtz は vorticity" という概念を導入し,粘性がないとき,「渦線が流体に凍結して運ばれる」ことを示した.Helmholtz の法則のトポロジー的意味を汲み出しその応用をはかるというのが,Arnold ('66) に始まるの流体力学の1つの流れである.さらに,80 年代以降の実験/観測技術の進歩や計算機の発達とあいまって,「渦」は流体を跳び出して,「超流動流体」,「ボース・アインシュタイン凝縮」,「プラズマ」,「惑星」,「天体・宇宙」などにおけるパターン形成とその機能を読み解く鍵として,各分野で固有の展開を見せている.数学においては,渦度はNaier-Stokes (Euler) 方程式の解の存在/非存在を決定的に左右する因子である(Beale-Kato-Majda `84).

本研究集会は,渦運動にかかわる (1) 現象とそのモデル解析,(2) Euler(Navier-Stokes) 方程式の数学解析,(3) 科学史,を中心として,それぞれの分野の第一線に立つ研究者が,渦運動にちなむ話題の現在最新状況の俯瞰を行ない,研究者の共有認識を作ることを目的とする.


プログラム(PDF Version):

7月16日(水)


13:30〜13:45代表者挨拶, 趣旨説明: Helmholtz and Lord Kelvin
13:45〜14:20 増田 茂 (首都大・理)
Encounters with exact differential and formulations of the two-constant theory (講演要旨)
14:20〜15:10木田 重雄 (京都大・工)
歳差回転球体内のスーパーローテーション流 (講演要旨)
15:30〜16:05前川 泰則 (九州大・数理)
Mathematical approach to asymmetric Burgers vortices at large circulations (講演要旨)
16:05〜16:40 後藤 晋 (京都大・工)
渦伸長による乱流エネルギーカスケード描像
16:50〜17:40亀本 喬司,小島 成 (横浜国大・工)
ラグランジュ渦法の流体工学への応用と今後の発展 (講演要旨)

7月17日(木)


10:00〜10:50 坪田 誠 (大阪市大・理)
量子乱流 (講演要旨)
11:00〜11:35 斉藤 弘樹 (電通大),川口 由紀,上田 正仁 (東京大・理)
原子気体ボース・アインシュタイン凝縮の最近の話題 (講演要旨)
11:35〜12:10 八柳 祐一 (静岡大・教育)
絶対温度<0となる点渦系の平衡分布の特性 (講演要旨)
(休憩)
13:30〜14:30 Hassan Aref (Virginia Tech. \& Technical Univ. of Denmark)
150 years of vortex dynamics (講演要旨)
14:50〜15:40 田中 雅慶,荻原 公平,江藤 修三 (九州大・総理工),荒巻 光利 (核融合研),吉村 信次 (名古屋大・工)
中性粒子と相互作用する渦 (講演要旨)
15:40〜16:15 三瓶 明希夫 (京都工繊大),伊藤 清一,曽我 之泰,青木 順,際本 泰士 (京都大・人環)
純電子プラズマ中の渦結晶構造形成 (講演要旨)
16:25〜17:00 梅木 誠 (東京大・理)
Rearrangement of periodic point vortices (講演要旨)
17:00〜17:50 新野 宏,雪本 真治 (東京大・海洋研),野口 尚史 (京都大・工),木村 龍治 (放送大),Frederic Moulin (トゥールーズ大)
竜巻の構造と発生機構及びバスタブ渦の力学と速度構造について
18:30〜懇親会

7月18日(金)


10:00〜10:50 中野 徹,宮崎 巧也 (中央大・理工),後藤 俊幸 (名古屋工大)
オイラー方程式の数値解の次元依存性 (講演要旨)
11:00〜11:35 八登 浩紀,小笠原 健,松本 剛,藤 定義 (京都大・理)
自由熱対流系における乱流遷移段階での渦構造形成過程 (講演要旨)
11:35〜12:10 松岡 千博 (愛媛大・理)
表面張力を考慮した密度成層のある渦層の時間発展 (講演要旨)
(休憩)
13:30〜14:20 金野 幸吉 (北海道大・工),松山 豊樹 (奈良教育大),浅野 泰寛,丹田 聡 (北海道大・工)
宇宙における渦状構造とチャーン・サイモン重力理論 (講演要旨)
14:20〜14:55 中木 達幸 (広島大・理)
Collision of some five point vortices in a plane (講演要旨)
15:15〜15:50 坂上 貴之 (北海道大・理)
Fast tree-code for point-vortex interaction on sphere (講演要旨)
15:50〜16:25 服部 裕司 (九州工大・工),福本 康秀 (九州大・数理)
渦構造の曲率不安定性 (講演要旨)


※ 本研究集会は九州大学グローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ教育研究拠点」の援助を受けています.


※ 7月17日(木)午後6:30より懇親会を催しますので,ご出席賜れば幸いです.


2007年RIMS研究集会: 「オイラー方程式250年: 連続体力学におけるオイラーの遺産」



Last update: May 26 2009
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