RIMS共同研究

「オイラー方程式の数理:力学と変分原理250年」


開催日程 平成 22年 7月 12日(月) -- 14日(水)
開催場所 京都大学数理解析研究所4階420号室 (アクセス)
研究代表者 福本 康秀 (九州大学・大学院数理学研究院)
副代表者 服部 裕司 (東北大学・流体科学研究所)

趣旨

 力学において変分原理は重要な位置を占める。これは流体力学を含む連続体力学においても同様である。変分原理が力学において最初に登場したのは1760 年のLagrangeの論文である。その後Lagrange 自身により流体力学への適用が試みられた。変分原理の懐の深さは、第一原理としての物理法則(支配方程式) や保存則を生み出すことにとどまらず、幾何学的構造の解明、安定性の研究、運動学への応用などにおいて多大な成果を生み出し続けた。

 流体力学においては、今世紀に入ってもArnold による流体粒子運動の微分幾何学による定式化(1966 年)を一つの契機として研究が活発化した。1980 年代以降、それに続く非線形安定性の理論、Hamilton 系、特にLie-Poisson 系としてのオイラー方程式の理論の成熟を見た後、変分原理に源を有する研究は21 世紀に入っても進化を遂げ、応用範囲を広げつつある。無論、これは流体力学に限らず連続体力学全般において言えることである。

 本研究集会は、Lagrange の業績から250 年を迎える2010 年に、変分原理に源を有する流体力学研究の歴史から最先端までを眺望し、連続体力学全般の中でアイディアを交換することにより、今後の研究のさらなる発展を目的とするものである。変分原理を軸として流体力学と他分野の交流を深めることにより、意外なアイディアの組み合わせによるブレークスルーを生み出したい。


プログラム(PDF Version):

7月12日(月)


13:00〜13:15 代表者挨拶, 趣旨説明
13:15〜14:15 伊藤 和行 (京都大・文)
18世紀における力学理論の発展と流体力学の誕生 (講演要旨)
14:30〜15:30 有賀 暢迪 (京都大・文)
黎明期の変分力学――オイラーからラグランジュへ (講演要旨)
16:00〜16:30 深川 宏樹, 藤谷 洋平 (慶應大・基礎理工)
完全流体の変分法におけるClebsch potentialについて (講演要旨)
16:30〜17:00 八柳 祐一 (靜岡大・教育), 羽鳥 尹承 (神奈川大・理)
2次元点渦系での粒子性に基づく散逸効果 (講演要旨)

7月13日(火)


10:00〜10:45 郡 敏昭 (早稲田大・基幹理工)
流体Euler方程式,Yang-Mills方程式の渦表示とClebsch variableおよびHelicityについて (講演要旨)
11:00〜11:45 廣田 真 (原研)
電磁流体方程式の変分原理に基づいた非線形モード間相互作用の定式化 (講演要旨)
13:15〜13:45 神部 勉 (南開大・陳省身数学研)
完全流体の変分原理と流体マクスウェル方程式 (講演要旨)
13:45〜14:15 小嶋 泉 (京都大・数理研)
凝縮効果に基づく (時) 空間の物理的創発 (講演要旨)
14:30〜15:00 足立 洋之, 坪田 誠 (大阪市大・理)
熱対向流量子乱流の数値解析;量子渦の再結合の統計的性質 (講演要旨)
15:00〜15:30 藤本 和也, 坪田 誠 (大阪市大・理)
振動物体による量子流体の不安定性と量子渦の運動 (講演要旨)
16:00〜16:30 石野 隼伍, 竹内 宏光, 坪田 誠 (大阪市大・理)
2成分ボース・アインシュタイン凝縮体における対向超流動の不安定性 (講演要旨)
16:30〜17:00 高橋 公也,宮本 真孝, 伊藤 泰典 (九工大・情報工),高見 利也,小林 泰三,西田 晃,青柳 睦 (九州大・情基セ)
2次元および3次元モデルを用いたエッジトーンの数値解析 (講演要旨)
18:00〜懇親会

7月14日(水)


10:00〜10:45 木田 重雄 (同志社大・理工), 後藤 晋 (岡山大・工), 藤原 昇平 (豊田自織)
円錐剪断層の作るフレーク模様 (講演要旨)
11:00〜11:30 河井 洋輔 (東京大・新領域), 際本 泰士 (京都大・人環)
非中性プラズマ中における乱流緩和過程の実験的研究 (講演要旨)
11:30〜12:00 水田 敦, 松本 剛, 藤 定義 (京都大・理)
2次元逆カスケード乱流の特性に外力が及ぼす影響
13:30〜14:00 西山 高弘 (山口大・理工)
流体力学におけるクーロン波動関数の応用2例 (講演要旨)
14:00〜14:30 増田 茂 (首都大・理)
Gauss' variational problem and Navier-Stokes equations (講演要旨)
14:30〜15:00 梅木 誠 (東京大・理)
ハミルトン系の保存則に対する勾配系の方法 (講演要旨)
15:30〜16:00 彌榮 洋一, 福本 康秀 (九州大・数理)
楕円渦の弱非線形安定性と2次不安定性 (講演要旨)
16:00〜16:30 服部 裕司 (東北大・流体研), 福本 康秀 (九州大・数理)
らせん渦の線形安定性解析:ノーマルモード解析と短波長解析の関係 (講演要旨)


※ 7 月13 日(火) 午後6:00 より懇親会を催しますので,ご出席賜れば幸いです.


2009年RIMS研究集会: 「オイラー方程式の数理:渦運動と音波150年」

2008年RIMS研究集会: 「オイラー方程式の数理:渦運動150年」

2007年RIMS研究集会: 「オイラー方程式250年: 連続体力学におけるオイラーの遺産」



Last update: April 14 2011
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