RIMS共同研究

「オイラー方程式の数理:カルマン渦列と非定常渦運動100年」


開催日程 平成 23年 7月 20日(水) -- 22日(金)
開催場所 京都大学数理解析研究所4階420号室 (アクセス)
研究代表者 服部 裕司 (東北大学・流体科学研究所)
副代表者 福本 康秀 (九州大学・マス・フォア・インダストリ研究所)

趣旨

流体力学において非定常渦流れは広く見られる現象であり、 その解析が重要であることは言うまでもない。 非定常渦流れに対する認識と研究が今日の興隆を見るに至った契機は、 von Karman の 1911年の論文により、 柱状物体周りの流れにおける周期的な渦列放出が「カルマン渦」の名のもとに非定常渦運動のプロトタイプとして市民権を得たことである。 von Karman はオイラー方程式の範疇で点渦により流れをモデル化し、 解析的に得られる安定な渦列配置が実験結果とよく一致することを示した。

カルマン渦自体が渦励振の代表例として工学的に重要な問題である流体振動研究の対象となる一方、 カルマン渦が音源となるエオルス音は空力音の典型として空力音響学の発展を促した。 また、点渦モデルは Lagrange 型の解法として重要な数値解法である渦法へと進化し、 渦流れの安定性解析は連続スペクトルの問題を内包しつつ深化するなど、非定常渦流れ研究は新たな展開を生み出し続けている。

その意義と、渦流れ研究の歴史から最先端までを眺望しアイディアを交換することにより、 本研究集会は、非定常渦流れ研究への道筋を切り開いた von Karman の業績から100年を迎える2011年に、 今後の研究のさらなる発展を目的とするものである。 カルマン渦を基軸として非定常渦流れの研究者が一堂に会することにより、 意外なアイディアの融合による新局面を開きたい。


プログラム(PDF Version):

7月20日(水)


13:00〜13:15 代表者挨拶, 趣旨説明
13:15-13:45 神部 勉 (東京)
オイラー方程式の新しい解表現, および最初のカオス理論のポアンカレ(1890) の再認識と上田アトラクタの発見(1961) (講演要旨)
13:45-14:15 深川 宏樹, 藤谷 洋平 (慶応大・基礎理工)
散逸関数を使った粘性流体の変分原理 (講演要旨)
14:35-15:20 郡 敏昭 (早稲田大・理工)
主束の微分同相写像群のArnold-Euler 方程式 (講演要旨)
15:20-15:50 増田 茂 (流体数理古典理論研究所)
The historical study on equations of Navier-Stokes and Boltzmann as the microscopically-descriptive hydrodynamic equations (講演要旨)

7月21日(木)


9:30-10:00 服部 裕司, 中野 わかな (東北大・流体研), 畠山 望 (東北大・工), 福本康秀 (九州大・IMI)
渦対の形成過程の数値解析 (講演要旨)
10:00-10:30 高橋 公也 (九州工大・情報工), 宮本 真孝, 伊藤 泰典, 岩崎 拓也, 高見 利也, 小林 泰三, 西田 晃, 青柳 睦
3次元エアリード楽器の流体音源と発振特性 (講演要旨)
10:45-11:15 廣田 真 (日本原子力開発機構), P. J. Morrison (テキサス大学・IFS)
変分原理を用いた無衝突磁気リコネクションの解析 (講演要旨)
11:15-12:00 吉田 善章 (東京大・新領域), S.M. Mahajan
〈渦〉と時空の歪み (VORTEX and space-time distortion) (講演要旨)
13:30-14:30 溝田 武人 (福岡工大・工)
スポーツボールの変化球と渦のダイナミックスの役割
14:30-15:00 中元 信吾,坂本 久幸,真田 篤志,西山 高弘 (山口大・理工)
マイクロ波を用いたベルトラミ場の実験的検証 (講演要旨)
15:20-16:20 坂上 貴之 (北海道大・理)
多重連結領域の点渦力学とその応用 (講演要旨)
16:20-16:50 松本 祐子 (沼津工業高専), 上野 和之 (東北大・工)
双極子を用いたLagrange的非圧縮性流れ解析手法の研究 (講演要旨)
17:30〜懇親会

7月22日(金)


9:30-10:15 森田 善久 (龍谷大・理工)
あるギンツブルク−ランダウモデルにおける渦糸解の分岐 (講演要旨)
10:15-10:45 八柳 祐一 (静岡大・教育), 羽鳥 尹承 (核融合研)
2次元点渦系の粘性に関する考察 (講演要旨)
11:00-12:00 橋本 毅彦 (東京大・総合文化)
渦、乱流の研究と翼型の開発−とくに層流翼の発明をめぐって (講演要旨)
13:30-14:15 森川 雅博 (お茶大・理), 中道, 毛利, D. Schmitt, A. Ferriz-Mas, J. Wicht
結合スピンモデルによる地磁気・太陽磁場反転のダイナミクス (講演要旨)
14:15-15:15 水島 二郎, 大橋 俊介, 赤嶺 博史, 武本 幸生 (同志社大・理工)
カルマン渦列発生の物理と数理 (講演要旨)
15:30-16:15 内山 知実 (名古屋大・エコトピア研), 吉井 佑太郎 (ソフトウェアクレイドル), 濱田 廣貴 (日立ソリューションズ)
改良されたVortex in Cell法による平行平板間乱流の直接数値シミュレーション (講演要旨)
16:15-17:00 福本 康秀(九州大・IMI), 彌榮 洋一 (九州大・ITP)
楕円断面筒状容器内の回転流のハミルトニアン分岐理論 (講演要旨)


※ 7 月21 日(木) 午後5:30 より懇親会を催しますので,ご出席賜れば幸いです.


2010年RIMS研究集会: 「オイラー方程式の数理:力学と変分原理250年」

2009年RIMS研究集会: 「オイラー方程式の数理:渦運動と音波150年」

2008年RIMS研究集会: 「オイラー方程式の数理:渦運動150年」

2007年RIMS研究集会: 「オイラー方程式250年: 連続体力学におけるオイラーの遺産」



Last update: January 17 2012
Webmaster
服部 裕司
東北大学 流体科学研究所
980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1